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〒901-3805 沖縄県島尻郡南大東村字在所
南大東村立ふるさと文化センター内
 
ゴンドラで上陸

大東海運株式会社 「だいとう」

南大東への入島には、JALグループの航空会社である琉球エア・コミューターを利用して、空から "着陸" する方法と、大東海運株式会社の運行する 貨客船「だいとう」を利用して、海から"上陸"する方法の2つの手段があります。
今回は島の観光にも一役かっている海からの上陸手段、「だいとう」のご紹介をします。

貨客船「だいとう」は那覇と南北大東の間を周航する観光客や島民にとって、重要な生活インフラとなっています。
貨客船という言い方をしましたが、その理由はこの船が観光客や島民の移動手段としての客船として使われるだけではなく、貨物船として離島で必要となる生活物資運搬の役割も持ち合わせた船であるということをお伝えしたかったためです。


物資運搬コンテナと自動車の運搬

離島は食糧、日用雑貨、家電、燃料、建設資材・・・等々、島で生産できないものは全て沖縄本島から運搬して来なければなりません。

離島の輸送手段と言えば航空輸送か海上輸送の2経路しかありませんが、南大東島には空港はあるものの
、狭い島なので大型機が離着陸できる滑走路を建設することが出来ず、大量な貨物輸送が可能な輸送手段としては海上輸送だけに頼らざるを得ないわけです。

航空機と船舶での輸送を比較すると、時間の問題や気象条件による運航可否の点では航空機を使用するにこしたことはありませんが、輸送コストや飛行場建設のための土地造成を考えると海上輸送は理にかなった輸送手段ともいえます。

港で作業中のクレーン

ところが他の離島とは異なり「絶海の孤島」と呼ばれる南大東には更に問題がありました。それは、地形上の問題で、中型船や大型船が着岸できないという致命的ともとれる問題でした。

この困難な大問題を解決してくれたのがクレーンによる引き上げです。
その方法は、船は接岸せずに岸のすぐ近くに浮かんだ状態で船と陸地をロープで固定します。そして大型クレーンを岸から操作し、貨物は勿論のこと、人も貨物同様にクレーンで引き上げてしまうという何とも大胆で画期的な発想で解決をしたのです。

人を直接クレーンで吊るわけにはいかないので、乗用のゴンドラを使って引き上げるのですが、ゴンドラには家型とカゴ型の2種類があります。家型のゴンゴラは、まるで童話のお菓子の家のようで可愛らしい作りなのですが、風の影響を受けやすく揺れるため、カゴ型のゴンドラが使われることが多いようです。

このクレーンでの上陸が珍しい上陸の方法として、観光客の方にとても好評です。映画「旅立ちの島唄~十五の春~」での感動の名場面の撮影にも使われ、更に知名度が上がったようで、飛行機で来島された方も船が到着する日には早朝からカメラを持って船が到着するのを待ち構えている光景も珍しくありません。

「だいとう」の運行スケジュールや料金は大東海運株式会社のホームページに掲載がありますので乗船希望の方はそちらでご確認ください。

家型のゴンゴラ

カゴ型のゴンドラ

更新日
2015年3月21日